「エロイムエッサイム」という言葉を聞いたことはありませんか?
私もこの言葉自体は別の作品などで耳にしたことがありましたが、実は昔の『悪魔くん』をきちんと見たことはありませんでした。
調べてみると、『悪魔くん』は一つの作品だけではありません。
水木しげるさんによる作品は1963年の貸本漫画から始まり、その後、主人公や設定を変えながら何度も描かれ、1966年には実写ドラマ、1989年にはテレビアニメ、そして2023年にはNetflixで完全新作アニメが配信されています。
長い年月を経ても、新しい世代に合わせて形を変えながら受け継がれている作品なのです。
この記事では、昔の『悪魔くん』を見たことがない私自身が調べて分かったことをもとに、1966年版・1989年版・Netflix版は何が違うのかを分かりやすく整理します。
「昔の悪魔くんを知らないけれど、今から見ても楽しめるの?」という方にも参考になれば幸いです。
そもそも『悪魔くん』とはどんな作品?
『悪魔くん』は、水木しげるさんの代表作の一つです。
原点となる作品は1963年に貸本漫画として刊行されました。
その後、「週刊少年マガジン」「週刊少年ジャンプ」「月刊コミックボンボン」など、掲載誌を変えながら主人公や設定も変化していきました。
そのため、『悪魔くん』という名前は同じでも、時代によって主人公や世界観が少しずつ異なります。
基本的なテーマとして描かれているのは、悪魔の力を借りながら、人間と悪魔が平和に暮らせる理想の世界を目指すという物語です。
単純に「悪魔を倒すヒーロー作品」ではないところが、『悪魔くん』の興味深い部分だと感じました。
1966年版はモノクロの実写ドラマ
『悪魔くん』は1966年10月から1967年3月まで、実写テレビドラマとして放送されました。
全26話のモノクロ作品です。
主人公の悪魔くんを演じたのは金子光伸さん。
悪魔くんと悪魔メフィストが、人間に不幸をもたらす妖怪や怪異に立ち向かう内容になっています。
私はこの1966年版を実際には見ていません。
しかし、現在のアニメ作品から『悪魔くん』を知った人にとっては、もともと実写の特撮作品として映像化されていたという事実だけでも意外に感じるのではないでしょうか。
1960年代という時代を考えると、CGのない時代に悪魔や妖怪の世界をどのように映像化していたのかという点にも興味がわきます。
1989年版は子どもを主人公にしたテレビアニメ
1989年4月15日から1990年3月24日まで、テレビアニメ版『悪魔くん』が放送されました。
全42話です。
主人公は埋れ木真吾。
真吾は、人間と悪魔が平和に共存できる世界を作ることを夢見て、魔法陣の研究をしている少年です。
ある日、百目によって「見えない学校」へ連れて行かれ、そこでファウスト博士から、自分が1万年に1人現れる「悪魔くん」であることを知らされます。
そしてソロモンの笛を授かり、十二使徒と呼ばれる仲間たちとともに戦っていきます。
私自身は1989年版を見た記憶がありません。
それでも作品内容を調べてみると、悪魔を単純な敵として扱うのではなく、悪魔と契約し、仲間として力を借りるという設定が特徴的だと感じました。
「人間対悪魔」ではなく、人間と悪魔が共存する世界を目指すという考え方は、子ども向けアニメとして見るとかなり奥深いテーマです。
「エロイムエッサイム」は悪魔くんを象徴する言葉
『悪魔くん』について調べていて、やはり気になったのが「エロイムエッサイム」という言葉です。
私は『悪魔くん』そのものから覚えていたわけではなく、別の作品などで聞いた記憶がありました。
1989年版アニメでは、第2話のタイトルにも「正義の呪文、エロイムエッサイム」と使われています。
それだけ作品を象徴する言葉として知られているのでしょう。
『悪魔くん』を見たことがなくても、「エロイムエッサイム」という言葉だけは知っているという人も少なくないかもしれません。
長く続いてきた作品だからこそ、作品そのものを知らない世代にも言葉やイメージが伝わっている。
私はそこに『悪魔くん』という作品の影響力を感じました。
1989年版の魅力は十二使徒との関係
1989年版では、悪魔くんが一人で戦うわけではありません。
ソロモンの笛を使って十二使徒と契約し、仲間とともにさまざまな事件に立ち向かいます。
悪魔という言葉からは怖い存在を想像しがちですが、この作品では悪魔たちが仲間として描かれるところが特徴です。
「悪魔=悪」という単純な構図ではありません。
人間にもさまざまな性格の人がいるように、悪魔にもそれぞれ考え方や個性がある。
この考え方が作品の世界観を広げているように思います。
悪魔くんが目指しているのも、悪魔をすべて倒すことではなく、人間と悪魔が平和に暮らせる世界です。
この部分は、大人になってから作品を見ると、また違った印象を受けるのではないでしょうか。
2023年Netflix版では主人公が2代目に
2023年11月9日からNetflixで配信された新作『悪魔くん』では、1989年版とは主人公が変わっています。
新しい主人公は、2代目悪魔くん・埋れ木一郎です。
一方、1989年版の主人公である埋れ木真吾も「初代悪魔くん」として登場します。
つまり2023年版は、昔の作品を完全に作り直した単純なリメイクではありません。
1989年版とのつながりを持ちながら、新しい世代の物語として描かれている作品です。
これは昔からのファンだけでなく、新しく『悪魔くん』を知る人にも入りやすい作りになっているように感じます。
また、1989年版でシリーズディレクターを務めた佐藤順一さんが、2023年版では総監督を担当しています。
昔の作品に関わったスタッフが新作にも参加している点からも、過去とのつながりを大切にしていることが分かります。
1966年・1989年・2023年版の違いを比較
| 作品 | 形式 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 1966年版 | 実写ドラマ | モノクロ作品。悪魔くんとメフィストが妖怪や怪異に立ち向かう |
| 1989年版 | TVアニメ | 埋れ木真吾が主人公。十二使徒とともに人間と悪魔の共存を目指す |
| 2023年版 | Netflixアニメ | 2代目悪魔くん・埋れ木一郎が主人公。1989年版とのつながりも描かれる |
こうして並べてみると、同じ『悪魔くん』でも時代によってかなり違うことが分かります。
主人公を変えながら、それぞれの時代に合わせて作品が作られてきたところが、このシリーズの特徴です。
昔の『悪魔くん』を見ていなくてもNetflix版から楽しめる?
昔の作品を見ていない私が最も気になったのが、この点です。
「1989年版を知らないと2023年版を楽しめないのでは?」と思う人もいるでしょう。
しかし2023年版は2代目悪魔くんを主人公とした新しい物語なので、新規視聴者でも作品に入ることはできます。
一方で、初代悪魔くん・埋れ木真吾やメフィスト2世など、昔の作品につながる人物も登場します。
そのため、まず2023年版を見て興味を持ち、その後1989年版を見てみるという楽しみ方もよいと思います。
逆に昔からのファンなら、「あのキャラクターが今どうなっているのか」という視点から新作を見る楽しみもありそうです。
私が調べてみて一番興味を持ったところ
今回、昔の『悪魔くん』について調べる前は、「悪魔や妖怪と戦う昔のアニメ」という程度のイメージでした。
しかし実際には、作品の中心にあるのは人間と悪魔が共存できる世界を作るという考え方でした。
ここが私には意外でした。
悪魔を倒して終わるのではなく、違う存在同士がどうすれば一緒に暮らせるのかを考える。
もちろん子どもでも楽しめる冒険作品ですが、その根底には意外と大きなテーマがあります。
1960年代から形を変えながら『悪魔くん』が何度も作られてきた理由の一つは、こうしたテーマが時代を超えて通じるからなのかもしれません。
これから『悪魔くん』を見るならどこから?
私のように昔の『悪魔くん』を見たことがない人なら、まず2023年のNetflix版から作品の雰囲気を知る方法があります。
そこから初代悪魔くんやメフィスト2世などに興味を持ったら、1989年版を調べてみる。
さらに『悪魔くん』の歴史そのものに興味を持ったら、1966年の実写版や原作漫画へ進む。
この順番なら、昔の作品を知らなくても入りやすいのではないでしょうか。
ただし配信状況は変更される場合がありますので、視聴前にはNetflixや公式サイトなどで最新情報を確認してください。
まとめ|『悪魔くん』は時代とともに変化してきた作品
『悪魔くん』について調べてみると、単に昔のアニメがNetflixで復活したという作品ではないことが分かりました。
1963年の漫画から始まり、1966年の実写ドラマ、1989年のテレビアニメ、そして2023年のNetflix版へ。
主人公や設定を変えながら、長い年月にわたって受け継がれてきています。
私自身、昔の作品は見ておらず、1989年版についても記憶はありません。
それでも今回調べたことで、「人間と悪魔の共存を目指す物語」という部分に興味を持ちました。
また、以前から耳にしたことがあった「エロイムエッサイム」という言葉が、『悪魔くん』を象徴する言葉の一つだと知れたのも印象的でした。
昔から知っている人はもちろん、私のようにこれから初めて作品を知る人でも、『悪魔くん』の長い歴史をたどってみると新しい発見があるのではないでしょうか。
※作品情報は2026年8月時点で東映アニメーション、東映ビデオ、Netflixなどの公開情報を確認して作成しています。配信状況は変更される場合があります。



コメント
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色即是空,空即是色